Interview 010

2023/5/26

株式会社ダイモン
取締役COO
三宅 創太 さん
MIYAKE Souta
株式会社ダイモン
取締役COO
三宅 創太さん
MIYAKE Souta
「ココロで感じたことを、アタマで考えて、
カラダで行動に移す」という営みこそ、
創造的な価値を生み出す仕組み
岡本

今回のゲストは、月面開発の最前線で活躍するロボット、月面探査車「YAOKI」を開発している株式会社ダイモンの取締役COO三宅さんに来ていただいています。

今日はよろしくお願いいたします。

三宅

よろしくお願い致します。

岡本

三宅さんの後ろ側に、非常に興味をそそられるパネルがたくさん並んでいますが、後ほどそのあたりを深掘りさせていただければと思います。

三宅

はい。ありがとうございます。

岡本

本日、三宅さんにお越しいただいた一番の理由はですね、ロマンでもあり、これからの社会の現実的なバズワードにもなるであろう「宇宙」という大きなテーマに取り組まれているので、ぜひそのお話を伺ってみたいということです。

そしてもう一つ、三宅さん持つパッションとか、パーソナリティ、内側からどんどん出てくるその熱量が、僕の中ではすごく魅力的に感じております。子どもたちが、これから生き抜いていくVUCAの時代、不確定で絶対解がなく国際競争がどんどん広がっていく時代の中で、三宅さんが進めていらっしゃるビジョンを次の世代の子どもたちに見せていただきたいなと思い、そのあたりを深掘りさせていただけますか。

というわけで、早速進めていきたいんですが、まず自己紹介を含めて、三宅さんがどのようなことに取り組まれているのかをお話をしていただいてもよろしいでしょうか。

三宅

はい、わかりました。 今、宇宙のお話がありましたので、宇宙のことからお伝えしたいと思います。 私はですね、後ろにもありますが、月を探査する月面探査ローバーで、「YAOKI」というプロジェクトを進めているダイモンという会社のCOOをやっています。このダイモン社の月面探査ローバー「YAOKI」は、JAXAのプロジェクトではなく、民間で月の探査をやっていこうというミッションを進めています。

代表の中島が、この「YAOKI」の発明者、設計者、製造者でして、私はそのお手伝いという立場になります。この「YAOKI」のプロジェクトにどういう意味があるのか、どういう価値があるのか、それから、どういうメンバーと一緒に人類にとって価値となるプロジェクトが生まれるのか、ということを考えて、推進する担当です。

岡本

今画面にも映っている「YAOKI」なんですが、皆さんがイメージできるようにお聞きしますが、大きさはどのくらいなんでしょうか。

三宅

横幅が15センチ、高さが10センチ、そして奥行きが10センチで、身近なところでいくと、ちょうど一眼レフカメラと同じぐらいのサイズで重さは500g弱です。
重さは一眼レフよりちょっと軽いくらいの探査車で、手に持っている「YAOKI」が実寸大になります。

岡本

小さいですね!手のひらサイズ!
「YAOKI」のすごいところって、やはりそのコンパクトさと軽量化という点ですね。これが、非常に強みだと思っているんですが、他の月面ローバーと一番違うところはどういうところなんでしょうか?

三宅

そうですね。通常、探査ローバー(探査車)として皆さんが考えるものは、500kgだとか、小型と言われているものでも50kgなんですよね。自動車のように人が乗れるサイズ感に比べると、これは超小型と呼ばれているもので、超小型なんだけど、走行性能は、中型機や小型機と同じような水準を実現しようというのが特徴です。

それを実現するポイントは、フォルムを見ていただくとわかると思います。左右対称・上下対称になっているので、ひっくり返っても、同じ動きをします。

YAOKI

上から落ちてきて着地した時もコロっと倒れて進める形態になって、そのまま進めるのです。

YAOKI-03

イメージしていただければと思うのですが、自動車がひっくり返ってしまったら動くでしょうか?
タイヤが上を向いている状況なので、もちろん動きませんよね。

でも「YAOKI」は、タイヤが上を向いているとか下を向いているという概念がないのです。通常の探査車では、急な坂道があった場合に、仮にひっくり返るようなことがあると動けなくなるので、そこは危険だから行けませんとなるのですが、「YAOKI」の場合はひっくり返っても全然動けます。このどこでも行けるということを、悪路走破性が高いと表現していて、これが最大の特徴になっています。

岡本

面白いですね。

三宅

はい。
僕も本当によく考えられているなぁと思います。
僕はエンジニアではないので、最高のものづくりって常識にとらわれずに、常識を超えていくんだなと感心します。上下が全く同じであればひっくり返っても大丈夫なんだよねということを考え抜いて実現させるのは、何かとても斬新なアプローチだなと思っております。

月が注目されている理由は、地面があるから。
宇宙空間という海からたどり着く新しい大陸として、
地面があるということに価値があるのです。

岡本

ありがとうございます。
ちなみにですね、今、三宅さんは、月で「YAOKI」を走らせるというミッションにチャレンジされる中で、どうやったら問題を解決することができるかということで、軽量化とか、悪路走破性ということにどう取り組むことができるのか、トラブルが起こったときにどのように修正してくのか、いろいろなことを考えながら進めていらっしゃると思います。

月に「YAOKI」を届けるという事業領域は、今からどのくらいの発展性があるのか、そして御社が考えている事業は月に行くということなので、そもそも何で月に行くのかについて、ミッションの裏側にあるものをお伺いできたら嬉しいなと思います。

三宅

はい、わかりました。
僕も専門が宇宙ではないので、正直何でなんだろうって思っていたんです。今、岡本さんがおっしゃったように。確かに、月に行けるのは楽しいし、それこそ生物がいるんじゃないかみたいな大発見に繋がるかもしれないというワクワク感がありますが、それでは説明になりません。ですので、民間企業でやるということの本質的な意味が何なんだということと、これをダイモン社でやっているということの意味は何なんだという、二つの説明をさせていただきたいと思います。

まず、これまでの宇宙開発は、基本的に国主導で進んできております。しかし2017年にアメリカが「アルテミス計画」というものを世の中に出した際に、ここからは宇宙は民間企業で進めます!と明確に表明をしました。

具体的にはどういうことかというと、科学ミッションとして国費を使うのではなくて、産業の育成として国費を使うとことにしました。50年前のアポロ計画とは、違う公的資金の意味があるんですよという説明をしています。

これは、約30年前にペンタゴンが持っていた通信システムを開放し、インターネットとして民間企業が活用してその結果GAFAができるような形でアメリカの企業が世界の主役に躍り出てきましたことと同じです。今度は宇宙という産業を民間に開放することによってGAFAよりもさらに大きな企業を育てていく、という意味で受け取っていただければと思います。

日本でも先日のispace、ちょっと残念ではありましたが、これはとてつもなく素晴らしい挑戦です。日本の民間企業が頑張って世界の最前線で戦っていることを示してくれました。民間企業が月の着陸シークエンスまで到達していること自体がとてつもない成果です。

今、月が注目されている理由も説明します。月には宇宙空間にはない地面があります。地面があるということに価値があるのです。地球で例え話をすると、大航海時代に大陸を目指していくます。大陸にたどり着くまでは海ですよね。この海上で何かの産業を作るのではなく、新たな陸を見つけて、そこに家を作り、そこの資源を採掘し、そこで社会インフラを形成していく。同じように考えると、海が宇宙空間で大陸が月なんですね。

宇宙空間自体は経路でしかなくて、だったら陸に着いて、そこで新たな資源を獲得したりしていく。この考え方に基づくと、月こそが重要な要素になっていきます。この月の開発ができる時代になると、人類は新たな大陸での社会インフラを作る技術を持ちうるので、人類自体が大きく進化していくでしょう。

さてもう1つです。なぜ、ダイモン社がそれをやっているのかというと、それはですね、この「YAOKI」を発明して、実際に作り上げたダイモン代表の中島さんのヒストリーと関係します。中島さんは、元々自動車のエンジニアで、自動車のギアを発明して、世界的に有名な四輪駆動の自動車に採用されてトルセンのタイプCと命名されています。これがアウディやレクサスなどの高級車に採用されています。つまり、地上で最強の駆動体・モビリティの構造を考えて作ってしまったわけです。

そうすると、もっと自分の力を試したいと思いますよね。そうしたら宇宙というテーマになって、中島さんの技術が月でちゃんと動くのかどうかを検証するために月に行く。先ほどのアメリカのどうのとか、民間がどうのとかいうのを全部横に置いて、中島さんが開発した「YAOKI」は他のどのローバーよりも悪路走破性が高いかどうかを確認したい、それが月を目指す理由になります。

岡本

ある意味すごいですね。ベクトルが違うわけですからね。

三宅

そうなんです。

岡本

おもしろい!

三宅

僕は、何でダイモン社にジョインしているかというと、中島さんが元々友人というか、尊敬というか、何て言うんですかね、表現としては適切じゃないかもしれないんですけれども、やばいなこの人、という社長さんだったんですね。僕もやばさでは負けないと思っていたんですけれど、いや、これはすごいということで、その中島さんがやってることは何となくお手伝いしますよって言ったら、急にある日、月行きのチケット、買えちゃったんだよね、みたいな…。どういうこと!?っていうことがあってですね(笑)

宇宙産業を調査してみると、先ほどのような大きな社会トレンドが変わるタイミングなんだと、人類自体が変わるようなタイミングであれば、僕にとっても非常に興味がある分野なので一緒にやりましょうというところから始まって、2年3年と一緒にやっている状況になります。

岡本

おそらく、これをご覧なられている方たちは、一般的な思考創造性とは、全くちょっと別の次元で、中島さんたちはお話をされていらっしゃるんだなというのがよく分かったと思うんですが…。(笑)

今、「月行きのチケットが買えた」という言葉が出ましたが、とはいえ、誰でも宇宙に飛ばせる、月に行かせることができるというわけではないじゃないですか。当然そこには、コストの問題や、根回しというか人脈というか、内容的なものも含めて、取り組みが評価されなければならないと思うんですけれど、ispaceも含めて、日本のベンチャースタートアップ、当然、ダイモンさんもそうだと思うんですが、宇宙に行くというのは、もちろん当たり前ですが、非常に難しいことで、中島さんが言われた「月行きのチケット」というのは、新幹線とか飛行機のチケットとは違って、本当にとてつもなくプレミアムなすごいものですよね!

三宅

はい。

岡本

どれぐらいすごいことかって、これを例えて言うと、どんなもんなんでしょうか、三宅さん…。

三宅

そうですね・・・プレミア感が分かるための例え話をしましょう。

この前、WBCが盛り上がりましたよね。WBCって大谷翔平選手が出ることが決まって、メディアが特集を組みだしてから急にプレミアチケットになったけど、そもそもはそんなに買うのが難しいわけではなかったですよね。最初は究極のファンの人たちだけが買っていたのと同じような状況が月行きのチケットでも起こっているようなものです。


先ほど2017年のアルテミス計画の話をしましたが、月行きのチケット自体は枚数というか正確に言うと重量なんですけれども、貴重と言えば貴重です。このチケットは、まず、NASAの荷物を送ってくださいという役務発注(公募)をNASAがして、アメリカの民間企業がコンペで受注します。


そのコンペは2020年から2030年までの10年間で20回、トータルで3000億円以上のNASAの予算がついていて、基本的にはNASAの荷物を月に届けるというのが、受注している会社の業務なんですが、NASAは重量100%を全部契約してるわけではなくて、大体80%ぐらいにして、残りの20%はその受注した会社が世界中の企業に売り出していいよとしています。これは逆に考えると、月に繋がる全ての企業がアメリカに集まってくるという仕掛けになり、この20%枠というのが2020年でいくとおよそ20kgでした。相場でいくと1kg-1millionなので、今は1.5億円ぐらいになっていますが、それが20kg分マーケットに出ましたよと。


基本的にはそういう情報を知っている方々といえば、欧米がメインなんですけれど、中島さんはispaceの初期のプロボノのメンバーの1人でもあったので10年近く宇宙に関わっていて、自分で「YAOKI」ができたと判断した時に、自分でプロモーションビデオ作ってYouTubeにアップして、国際的な宇宙関係者みんなに送り付けたらしいです。


そうしたら、ちょうどそのNASAの月輸送サービスを受注した会社の人が見て、0.5kgぐらいだったらちょうどいいと、中島、乗らないか?うちの枠買わないか?みたいなやり取りで、動画を送って1ケ月後にはそのリターンが来て、その3ヶ月後には契約していました。

岡本

早いですね!すごいですね、そのスピード。

三宅

そう。なので、何て言うんですかね、すごくいろいろな運に恵まれているとは思うんですけれども、やっぱり自分のことを信じてやって、設計ができたって思ったらそれを本当に作って、月で走らせたいがために、世界中の関係者に連絡をして、そうすると、たまたまそのアルテミス計画で月輸送サービスを受注した会社の人が、昔知り合いでちょうど500gぐらいの荷物だったら隙間に置けるという。

もちろん技術試験をたくさんしないといけないんですけども、例えば、100Gに耐えられますとか、そういう技術保障もできていたので、先方としてももってこいだということで、道が開けたというか、扉が開いたというふうになります。


質問のプレミアというのがどのくらいなのかは微妙なんですけれど、世界で数十枚しか売られていない中の1枚を取ったという意味では非常にプレミア感はありますが、誰でも手を挙げられると言えば誰でも手を挙げられるというような状況ですね。

岡本

でもその裏側には、チケットを買うチャンスはあったとしても、そこには、買った後に、結果的に飛ばせる力がないと、技術的な力がないと無理だということだと思いますし。

三宅

そうですね。両方ですね。お金と技術の両方。更に運だとか、流れだとか。(笑)

岡本

いやあ、僕は人脈もすごいなと思って、今改めて伺っておりました。

ちなみに、「YAOKI」を今度宇宙に飛ばして、中島さんとしては当然そこで走行性能というのを確かめる、自分の中の今までの夢を形にして走らせるというロマンもあると思うんですけど、片方ではビジネスとしてマネタイズというのも当然考えていらっしゃると思うんですが、今回、月で走らせて、どのようなビジネスを展開していかれる予定なんでしょうか?

三宅

これも二つあります。

表ミッションは一般的なもので、月で写真を撮りましょう。
先ほどの悪路走破性が高いということを考えると、今まで行けなかったクレータの崖の下だとか、月には洞窟があるのが分かっているのですが、その洞窟の中の状況を把握するということです。状況が把握できれば、次はそこに建築物を建てましょうだとかいろんな事業が進みますので、必要な情報は売れますよねというビジネスですね。他にも水を見つける資源探査のようなものもあって、皆さんがやっていることでですね。

ダイモン社独自のもう一つのテーマは、みんなで月に行こうよ、です。
つまり、今回は中島さんという変わった人が、自分の「YAOKI」が走ったらすごいよねという挑戦を、国レベルで、産業レベルでやってみようと。月での探査の後は何をするんですかというと、掘削をします、資源があるといったら掘ります、その掘った物を精製します、精製したら今度は製造工程に流し込んで実際に建築をしますと、先ほどの無人島に着いたという例から考えると、自分たちの着いた場所を開発していって社会インフラができていくわけですよね。

正直、ダイモン社で全部をやるつもりはないので、日本のゼネコンが月に挑戦して建築ができれば、プラントメーカーがプラントを作ることができれば、日本のモーターメーカー、バッテリーメーカー、ギアメーカーが月で動く製品を作ることができればと、日本企業が月で活躍するわけです。であれば、みんな中島さんみたいに挑戦すればいいわけです。「YAOKI」は受託をして月に行くわけではないので、失敗しても誰からも怒られません。

「YAOKI」というボディーを使って、安く早く月での実証の実験が自由にできるので、その自由さには意味があるんじゃないかと。
国のプロジェクトの順番待ちをしている間にでも、自分たちが月でやってみたいことを「YAOKI」に乗ってやってみませんか?と。そして世界をリードしませんかというようなやり取りをしています。そうすれば、月で実際にやってみたいなという企業さんが、ダイモン社にお金を出してくれて技術パートナーという契約で、みんなが月に行く機会を得られるわけです。

そして、その技術パートナーの企業は、自社が持っている技術を「YAOKI」に入れ込むことで、「YAOKI」が月でできたことは、ダイモン社とそのメーカーさんの成果となるわけです。その実績やノウハウをもとに、どんどん次の開発を進めていければ、日本の企業が世界一として、活躍する未来がつかめる訳です。これが中島さんが代表だからこそできるダイモン独自のビジネスです。

岡本

すごい!!これはね、本当に、夢があるなというのを、話をしていていつも思うことです。

三宅

ありがとうございます。

文理というものは、地球での考え方で、
全ての学問を統べるのが宇宙だと思っています。

岡本

今言われている裏側にはですね、当然ですけれど、発展性というものとお金というものが広がっていかないと、おそらく人材がそちらの方に流れてこないということもありますが、 アメリカだと、方向性の明示をすることで、資源を先に出してあげることで、そこに向かって世界中から優秀な人材が集まってきて、ビジネスがスケールしていくということがあり、やはりアメリカのビジネス展開ってのは上手だなと、戦略と戦術を両方持っているという感じを受けます。

それに対して、日本の場合は、批判とかではなく、やはりどうしても、何らかの前例に対して、もしくは誰かがやっているところに対して、形ができてから動くということが、今までもすごく多かったと思うんですね。それは日本の戦後というのを見ていても、追いつき追い越せというところの、一つのロールモデルを見つけて、それを軽量化するとか、薄くするとか、既存の技術を、目標に合わせて作っていくってことがすごく上手だったなと思うんですが、

今の三宅さんの話を聞いていても、新しいものを見つけて作っていくこと、いわゆるクリエイティブな発想で、推進力で、そのシェアを高めていくことというのが、おもしろいし、重要だけれど、やはりなかなか難しいというのも、今聞いていて思ったんですよね。

三宅

うん、うん。

岡本

そこで、次の質問を切り替えていくと、宇宙の分野でのビジネススケールというものが、今からどんどん世界中で広がっていくということを考えると、今の技術者じゃなく、将来の技術者というのも育てていかないと、その領域というものが発展していかないですし、世界での潮流に取り残されていってしまう、置いていかれてしまうというのがやっぱりあると思うんです。

その中で、特にこれを見ていただいているのは学校の先生たちが大半なのですが、学校では、宇宙という一つの領域について何を学んでいくべきなのかということを伺ってみたいです。

特に、宇宙と言うと、科学とか、物理とか、いわゆる学校で科目に当てはめてしまうと理科の領域のイメージになりがちですが、三宅さんのお話を伺っていると、中島さんという卓越した、ものすごい、いい意味でやばいエンジニアがいて、その人に惚れ込んでという部分があり、それって何かというと、いわゆる文系とか理系とかは関係なく、宇宙という領域を通じて仕事が広がっていくべきだと僕も思っていまして、そういう意味で、学校が宇宙の領域について実際に何を学びとして広げていくべきなのかということの話に移りたいなと思うんですよね。

三宅

そうですね。
その回答に対しては、全ての学問を統べるのが宇宙だと思っていて、文理というものは、地球人の考え方というか、地球での考え方です。そもそも宇宙視点で見ると、非常に宇宙の中のちっちゃいところに太陽系があって、その中の3番目に地球というのがあって、その中に僕らは住まわせていただいている。

この僕の肉体は一体何からできているんですか?この僕の思考は一体何からできているんですか?という質問に対して、極論すれば宇宙の塵からできているというのが答えです。
なので、僕は、月から見た地球の視点ぐらいを持つことによって、文化的にどういうふうに人が変わるのか、芸術はどう変わるのか、哲学はどう変わるのかということだったり、文系でいくと経済はどう変わるのか、国という概念はどう変わるのか、地球という概念はどう変わるのかというようなことだったり、自然に対する見方とかも変わってくると思います。

それから、新しい見方になってなにか変えたいと思ったことを実現するために、理学というか、理系的な考え方も非常に重要で、当然到達するための物理法則だったり、月に行ったときの工学ですね、エンジニアリングというのも必要になってくるので、これらを全て考えるとても良いテーマが宇宙じゃないかなと思っています。

世の中には、宇宙に対する詩もあれば、小説もありますし、アニメもあるので、例えば、道徳という総合学習の時間でそういう宇宙アートについて考えてみたり、宇宙サイエンスについて考えてみたりというのをシリーズ化したり、融合させてみて、複数のグループで並行して別の授業をやって、最後にそれを無理やり統合したらどんな答えが出るのかを考えたりするのは、宇宙教育の新しいあり方になるんじゃないかと思います。

岡本

やはりそうですよね。
宇宙=理系の括りの方向ではないと考えていらっしゃるということお伺いして、僕も全くその通りだと思っていまして。

例えば、ひとつ最近重要になってくると思っているのが、宇宙法という、さきほどの「YAOKI」の展開の話もそうですが、月で写真を撮るだけなく、砂を持って帰ってくるとか、何かを持ち帰ってくることが普通に行われるようになってきたときに、これって誰のものなんだっけと、月に行って資源を見つけたときに、これはどこの国のものなのか、それを地球に持ち帰ってくるときに、関税というものはかかるのか、もし月で事故が起こった場合は誰の責任になってくるのかとか、まだ全然整備されていないところに対して法治というものを考えなければいけないって言ったときに、それはいわゆる地球上でいくところの文系の学問領域というところが、今から考えなければいけなくなってくると思うんですね。

その領域に関して、宇宙なんて文系だから無理だよという最初から考えるのではなく、法学、経済、経営、社会学、そういったもの全てが、宇宙というものにも紐づいてくるんだとい考え方をやはり僕は広げていきたいなというのがありまして、そういったところで考えると、学校の中で純粋に宇宙というものを楽しむというパートと、あと宇宙の今からの発展性というところを2段構えで、子どもたちには学んでいってもらいたいなと僕はいつも考えているんですね。

特にその前段の、宇宙の中で何かをやるということでいくと、もう今はアップデートしなくなってしまったと思うんですけれど、国立天文台の「Mitaka」ですよね。ソフトウェアの「Mitaka」で、プログラミングに紐づけながら宇宙の広がりを見てみたり、先ほど見せていただいていた「YAOKI」のような、ローバーを使ったいわゆるエンジニアリングの領域とか、そういったものを使ったりとか、宇宙の空間というものを学んでいくというパート。これらは既に、今も多くの学校で取り組まれていると思うんですが、もう1つ、後者の方の、いろいろな領域とどう紐づいて広がっていくのかという発展の学びに関しては、まだ広まっていないので、ダイモンさんの方でも、どのように広げていくのかなというのは個人的にすごく興味を持っているんですよね。

これは学校の先生方の中でもやってみたい方は多いと思うのですが、この宇宙の領域の広がりというものを、子どもたちに学んでもらうきっかけ、スタートというんですかね、取っ掛かりというものは何にしていくべきなんでしょうかね。

三宅

そうですね。これはとっても難しい。

僕自身も悩むし、まだ答えがないんですけれども、国の成り立ちを知ったり、世界の成り立ちを知る、例えば、法でもそうですけれども、そういうときに、今度は地球の成り立ちを知るということになるとですね。
時間軸でいくと、相当遡って物事を考える力というのがないといけないし、空間軸でいくと、それこそ地球を眺めながら物事を考えるというようなことになって、精神軸でいくと、そもそも自分が生まれているこの生物はなんぞやみたいな、この深さみたいなのがあるので、どの教科にもそういう深さだったり、時間軸だったり、空間軸というのが、要素としては入っているはずですから、その横串を刺すような教育形態が、教育形態にまでなるのかどうかは分からないですが、よく言われる縦割りでは学びの効果が少ないので、横串を刺した複合的な教育カリキュラムを作っていこうという、その全体テーマが宇宙になるんじゃないかなと感じます。

ですので、ワークショップ型になるのかどうかは分かりませんが、あるテーマ、自分が月を開発するとなったときに、どんなふうにすれば最適なものになるでしょうか?というテーマが与えられたとして、理学的は?工学的には?法学としては?哲学としては?平和としては?とか、多様な意見を出し合って、最後ギュッとまとめるみたいなことをやるプログラムができると、それが国に着地したり、地域に着地したり、いろいろなテーマで、横串を刺した教育カリキュラムというのが成立するんじゃないかなという気はします。試してみたいなと思います。

岡本

完全食ならぬ、完全学習が宇宙であるというふうに定義した場合、総合学習のテーマとしては、発展性というよりも、学びの深さという意味ですごいものだと思いますね。

そういったものを僕はぜひ学校の総合学習とかでもテーマとして使っていただきたいですし、その中で例えば「YAOKI」という一つの工学的なアプローチを子どもたちに触ってもらったりすることで、そこから中島さんみたいなエンジニアに近づいてみたいとか、三宅さんのようにスケール化するためにはどういうふうにこれを使って、広報も含めてしていくことができるのかとか、子どもたちそれぞれが考えてもらえるように、学校でも取り入れられていくといいなと改めて今感じました。

ちなみに、現状でも、ある一定数の子どもたちは、宇宙という領域にとても興味があると思いますが、その領域での職業を目指していきたいというふうになった場合、これから子どもたちに求められる力、もちろんその領域だけに限定しなくてもいいと思いますが、これからの子供たちに求められる力とか、大人や指導者がそれらをどうサポートをしていってあげるのかということについて、三宅さんが感じられていることを伺いたいと思います。

三宅

はい。
私も宇宙をやっていて思うのは、先ほど岡本さんもおっしゃったように、日本の閉塞感というか、ロールモデルを見つけられないという状況の中で、どうすればいいんだろうってあがいている皆さんと、諦めている皆さんとがいるなという感じなんですね。

これは多分、教育業界、今日の教育現場においても、同じようにあがいている方と諦めている方っていらっしゃると思うんですけれど、でもその根底には、やはり価値を作った方がいいよね、いいことやった方がいいよね、生きている意味を感じたいよねという、それは先生方も宇宙関係者も同じだと思います。

そういう点でいくとですね、多分今、僕らはちょうど時代の変わり目にいて、古い社会システムというのが、もう経年劣化でボロボロになっていて、でも、それでもまだ新しいものができていないので、新しい船には乗り移れないという状況だと思います。
ですので、この新しい船をちょこっとずつでも形にする、例えば、「YAOKI」は小さな小さなプロジェクトで、宇宙産業で見たら大した存在ではないんですけれど、多くの仲間と一緒に行きましょうという構造にしているわけですよね。5年待って何十億かけてやるということよりも、今、目の前でできることをやってみましょう。そしてそれは5年経ったら、その元々やろうとしていたプロジェクトよりも大きくなっているはずだよねと。それはやはり仲間を信じて、社会を変えていこうという想いを共感して、全てのリスクは踏めないですけれど、そこそこに自分が取れる範囲のリスクというものはとる。

例えば、会社の組織の中の、自分は部長ですと、ここまでだったら自分の権限があるから、それは「YAOKI」にちょっと振りたいなとか言ってはいただけるのですが、会社全体としては全然認められていない。そういう状況でも小さく小さく、でもちゃんと動かしていくことを愚直にやっているというのが「YAOKI」のプロジェクトですので、教育現場においても、本当に小さくやって諦めそうなこともたくさんあると思うんですが、例えば、総合学習の中で宇宙というものに取り組んでみようというのを、年に1時間でも試してみるというようなことをやって、できる限り面白くやってみようよ、まずは自分の権限で進めてみて、その後は少しリスクを取ってくれるような、同じ想いの仲間と一緒に進めていくというのが重要なんじゃないかなと思います。

「YAOKI」という名前は、「七転び八起き」から。
簡単にうまくいかないけれど、それが楽しめればいいという気持ち、
まぁこんなもんだからもうひと頑張りという気持ち、
この「七転び八起き」というマインドをみんなが持てるといいなと思います。

岡本

先生方は、現場として本当にやることがたくさんあって、当然ですけれど、授業以外にも保護者の対応、子どもたちへの進学相談、また学習相談などなど、やることがてんこ盛りで、そんな中で、探究学習として最先端の宇宙工学、宇宙ビジネスにも取り組んでみようとなったら、おそらく体があと2個ぐらい必要になってきてしまうと思うんですよね。

だからこそ、ある意味、できるところはアウトソーシングして、しっかりとした学びというか、先ほどからも出てきているような、今からの5年後10年後を見据えた上での学びというものを子どもたちに提供していただきたいなと思います。これはいわゆる種まきで、それができると、その種まきをされた中高の6年間、もしくは小学校からずっとやってくると12年間の中で、その芽がどんどん出て、これをやりたいからこの大学に行ってみたい、この学部のこの先生に教わってみたいというところで、目的を持って大学へ行き、社会への夢を紡いでいくということになってくると思うんですよね。

以前に比べると、偏差値で大学を選ぶという選択はだいぶ減ってきてはいると思うんですが、とは言いながらも、やはりいい大学=偏差値の高い大学という概念は根強いですし、当然ですが、教科指導のメインがまだ大学受験の方向にあると、大学受験に関係がないことには優先順位を持ちづらい現状を持っている方がいるのも、やはり現実だと思うんですね。

でもこれはニワトリのタマゴ論争で、どっちが先かというよりも、両方を同時にやっていかなければいけないことだと思っていまして、その中で、子どもたちに今から求められるものというものというのは、お話を伺っていると、中島さんにしても、三宅さんにしてもそうだと思うのですが、自ら動いていくこと、そして周りを巻き込んでいく力というものが物事を動かしていく鍵になると思います。共同学習などにも繋がってくると思うんですが、誰かがリーダーシップ発揮したら誰かフォロワーシップを発揮するというように、学習というものも1人でやるのではなく、共同で、みんなで動いていくことで、個性というものも豊かになっていく流れにもなってくると思うんですよね。

ですから、1人ではなく集団でやっていくこと。アフリカの諺で、「早く行きたいのなら1人で行け、遠くに行きたいのならみんなで行け」という言葉がありますが、1人だともちろん早いとは思いますが、複数の特性があることで遠くまで行くことができる、個性を生かすということに繋がってくると思うんです。

最近の風潮でいくと、嫌だったらやめていいよとか、つらかったら逃げていいんだよということが前に出がちで、もちろん追い詰めすぎて追い込まれて、病んでしまうとか命に係わるとか、そういうことに繋がってはいけないということは当然その前提なんですが、気軽にやめるということではなく、つらい事があっても乗り越える力を持つというのは、僕はやはり今の時代でも、これからの時代でも必要になってくると思うんですよね。

三宅さんにしても、おそらく中島さんにしても、それをずっとやり続けると思うんですよね。困難に直面したとしても、もうちょっとやり方変えてみようかと試行錯誤して先に進むことができると思うんです。そういう強さを持つ三宅さんから、子どもたちにどんなものを求めたいか、求められていくと思うか、何か次のメッセージをいただければと思います。

三宅

ありがとうございます。

「YAOKI」という名前は、「七転び八起き」から来ているんですけれど、中島さんは英語でのプレゼンのときには、意味が二つあるよと言います。1つは名前の通り、常に起き上がる形状や機能について説明します。そしてもう一つは「Never Give up」というスピリットに日本語の意味なんだよと。

正直言って、そう簡単にうまくいかないですよ。当たり前ですけれど。僕らは毎日のように、毎週七転びやっているよねーって言ってます。全然かっこよくなくて、泥くさくやっているんですけれど、それでもいいんですよ。これが楽しめればいいという気持ち、まぁこんなもんだからもうひと頑張りという気持ち、この「七転び八起き」というマインドをみんなが持てるといいなと思います。これは、ダイモンというプロジェクトからのメッセージとしてお伝えします。

そして僕個人からもメッセージを。「ツクル論」という著書に書いている、僕が考えている事業創造のプロセスがあります。「ココロで感じたことを、アタマで考えて、カラダで行動に移す」という営みこそ、創造的な価値は生み出す仕組みじゃないのかと思っています。先生もそうですし、生徒さんもそうだと思うんですけれど、やはりココロが動くと、大変なことは大変じゃなくなるし、同じ勉強でも学びたいと思ったら、いやいやさせられている勉強とはまったく変わってくると思います。

自分がやりたいこと、ココロの琴線に触れたことが何なのかを探し出してみましょう。先生も同じように、先生になったココロがあると思いますので、そのココロをもう1回つぶさに見たうえで、だったら自分でどういうふうにすればいいんだろうか?この全くもって運の悪い時代に生まれた自分でも、できることは何なんだろうか?むしろこの時代だからこそやらなければいけない、自分に与えられた使命っていうのは一体何だろう?っていうことをアタマで考えて、実際にカラダで行動に移していくというプロセスを、ちっちゃなことでいいのでやってほしいです。
率先垂範じゃないですけども、先生自身がこのプロセスを通じて、学校内の小さなコミュニティだけじゃ限界があるのであれば、同じ想いを持った学外の先生や、地域の人や、僕らのような実践者で教育現場をもっと良くしたいよねというような人たちと一緒にやっていくことで、ちっちゃな突破ができていくんじゃないかなと感じます。

岡本

三宅さんと話をしていると、いつもあっという間に時間が過ぎ去っていくんですけれど、次の世代というものを考える時に、日本の国内だけの目線で見ていくと、人口が減ってくる、高齢化が進んでいく、環境問題がある。エネルギー自給率は?食料自給率は?って、なんだかどんどんネガティブになっていくんですが、もっと地球規模で宇宙から俯瞰して見ると、人口はどんどん増えていく一方で、新しいビジネスがどんどん生まれてきているんですよね。当然、地球全体の中でのトラブル問題ってのは同じではありますが。

この国力というか、国の勢いというもので見てしまうと、日本国内だけではチャンスも少なくなっているように感じるのですが、今日の三宅さんのお話をお伺いしていても、国単位ではなく、宇宙から全体を俯瞰して見ていくと、もっと広がりはあるし、そこに打って出ていってもらいたいなということを、僕は改めて感じました。

最後になりますが、今日のお話の中で、エンジニアとしての中島さんにいい意味でやばい人という形容をされていましたが、僕は昔から、イノベーターは、マイナスな意味ではなく、いい意味での変人だと思っていて、そんなイノベーターを育てるためには、前例がないから駄目だではなく、新しいものがあったら面白いじゃないかやってみようよというような、やってみなはれの精神マインドというのを大切にしていて、本日の三宅さんからお話しを伺っていても改めて感じました。

学校の先生方も本当に大変な時代だと思うんですけれど、子どもたちが将来、宇宙に関わる技術者としてすごいことやったよとか、10年後20年後の革新的なイノベーターが、このインタビュー記事を見た先生方に指導された子どもたちから出てきてほしいなと思いました。

本日は、三宅さんにも長いお時間を取っていただいたのですが、ダイモン社の「YAOKI」もですね、ぜひ学校の方でも触ってもらったりとか、少し動かしてもらったりとか、学校の先生方にも三宅さんとつながっていただきたいなと思います。

三宅

ありがとうございます。

そういう機会もあったらぜひ関わりたいですし、日本の小学生はしっかりと基礎教育をやっているので、その土台の上でココロが育っていったときに、僕は本当にね、爆発的に国力は伸びると思います。今は、我慢をし続けている感じなので、なんだか勢いがないように見えますが、今後、宇宙に行く、月に行くのなんか当たり前だよって日本人全員が思ったときには、とてつもないパワーが出てくるだろうなと思っていますので、それこそ、岡本さんがやられているエデュソルさんの教育事業ともコラボができると嬉しいです。是非よろしくお願いいたします。

岡本

ありがとうございます。こちらこそぜひ一緒にやりたいです。 三宅さん、本日は貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございました。

三宅

こちらこそ、ありがとうございました。

Today’s Expert

三宅 創太 MIYAKE Souta
株式会社ダイモンCOO、合同会社ツクルCEO 他多数

1977年生まれ。 福岡県出身。
小学生の頃、青い空が夕方になると赤い空になることに不思議な気持ちになっていたが学校のプリズム実験にて、太陽光がスペクトル(七色の光)に分かれることを見て感動する。中学校では、様々な元素によって世界が構成され、さらに新しい元素を発見され ていることを知り、6つの元素を一気に発見して「Mi」「Ya」「Ke」「So」「u」「Ta」 と 名づけることを夢にする。(既に3つあることが判明し、断念)
広島大学理学部に進学し、磁性体物理(電子の動き)を研究するが、 研究職は肌に合わないことが分かり、環境系企業に入社。静電分離機、建築事業、システム開発を従事した後、コンサルティング企業に転職。業務課題・経営課題・産業課題・地域課題を解決するITソリューションの実 装を担当する。2014年に独立し「新しいビジネスモデルをともにツクル」という理念のもと合同会社ツクルを設立。新たな事業創出を支援するなかで、ダイモン社代表の中島紳一郎と出会い、共にビジネスモデルをつくろう!と経営者仲間となる。
2019年、より強力なチームとなるためにダイモン取締役COOに就任。月面産業の創出を目指すための経営戦略を立案し、事業推進を担当。

Interviewer

岡本 弘毅 OKAMOTO Koki

教育のソリューションカンパニー、株式会社エデュソル 代表取締役。
特定非営利活動法人子ども大学水戸 理事長。
一般社団法人ロボッチャ協会 代表理事。
世界に羽ばたく「倭僑」の育成のため、従来の教育だけではなく、STEAM教育やSDG’s教育(ESD)、グローバル教育を中心に、3歳から社会人までの幅広い年齢にあわせた、様々な教育プログラムを提供している。また、子どものための大学を設立し、累計10,000人を超える学びの場を提供している。 2020年、株式会社電通、株式会社TBSホールディングスとともに、JVとして株式会社スコップを設立、実践的想像力を育むオンラインスクールSCHOP SCHOOLを開校。