Interview 006

2022/9/20

JAMSTEC 海洋研究開発機構
「しんかい6500」チーフパイロット
大西 琢磨さん
ONISHI Takuma
JAMSTEC 海洋研究開発機構
「しんかい6500」チーフパイロット
大西 琢磨さん
ONISHI Takuma
海に関する研究や仕事は、まだまだ大いに可能性があふれている。
自分の夢や目的がはっきりしていなくても、好きなものに対して
自分で行動し、探していってほしい。

岡本

本日は、JAMSTEC(海洋研究開発機構)より、深度6500mまで潜ることができる潜水調査船「しんかい6500」の現役のパイロットである大西琢磨さんにお話をお伺いします。どうぞよろしくお願いいたします。

大西さんとお話しさせていただくのは久々で、今日はお忙しい中、ちょうど陸に上がって来られている日程をピンポイントでお願いしてお時間を取っていただきました。本当にありがとうございます。コロナの影響で、深海の方も大変だったと思うんですが、本日はその辺りも含めてお話を伺えればと思いますので、よろしくお願いします。

大西

はい。よろしくお願いします。

岡本

まずですね、このMIGAKUのサイトをご覧になっている皆さんに、大西さんの自己紹介を、簡単にで良いので、どのようなことを取り込まれてのかもちょっと触れながらしていただけるとありがたく思います。

大西

はい。私はですね、今現在、日本に一隻しかない、「JAMSTEC(ジャムステック)」が保有している、有人潜水調査船「しんかい6500」の運用に携わる仕事をしております。「しんかい6500」というのは、母船「よこすか」に搭載されている大深度の有人潜水調査船で、3名がその中に搭乗して、最大潜航深度6500mまで潜航して、さまざまな研究活動を行っています。現在、「しんかい6500」のチーム員は15名おります。その15名で「しんかい6500」の整備、それから、船上からの後方支援ですね、それから実際に深海に潜航するパイロット業務、この3つの業務を行っています。
チーム員のほとんどがこの3つの業務を兼務しているんですけれども、私はその中でも、チーフパイロットとして実際に潜航するというのが、メインの役割になっています。それから整備。我々はパイロットであることももちろんあるんですけれども、「しんかい6500」も随分と年数が経ってきていますので、老朽化対策を講じたりとか、新しい機械をどんどん取り入れたりとか、より良い調査潜航のために、耐圧殻内(コックピット)環境を整えたりとか、そういったことに取り組んでいます。

岡本

大西さんが今、携わっていらっしゃる「しんかい6500」の存在については、このMIGAKUを読んでいる皆さんも、よく知っていると思うんですね。ただ、実際にどんなことをしているのかという内容はよく知らないと思います。「しんかい6500」という名前は知っている、やっていることもなんとなくわかる、でも「しんかい6500」って、実際に海の中ではどんなことをやっているのかとか、さきほど船内は3名っていう話があったりだとか、整備ってどのようにやっているかとか、そういった詳しいことは、おそらく知らないですし、知りたいと思っている部分であるはずなので、今日はその辺りも少しお話を深掘りしていければと思っております。

さて、その「しんかい6500」なんですけれども、有人で、海の中を、6500mまで下に降りていくということに対して、私も以前少し体験させていただきましたが、コックピットの中ってとても狭いじゃないですか。閉鎖的な場所っていうんですかね。そういう環境に対して、大西さんは、初めから、不安に感じたりすることはなかったんですか?

大西

そうですね。「しんかい6500」の人が乗るコックピットというのは、内径が2mしかありませんので、一見、かなり狭いように思えるんですけれども、その「しんかい6500」で実際に潜る前に、私たちは「整備」というところから仕事を始めます。まず、機械がどのようについているのかとか、どういった機械があるのかとか、どういう役割をするのか、というような座学的なところが、かなり最初はメインになりますので、そういったことがどんどん頭に入ってくると、ほとんど「しんかい6500」に対する不安っていうのはなくなっていくんですよね。もし、あの部分が壊れても、こうすれば大丈夫だとか、そういったことが、整備をする中でどんどん分かってきますので、いつの間にか、不安っていうのが一切なくなっていって、もっと早く潜ってみたいとか、もっと上手くなりたい気持ちの方がどんどん前に出てきてしまいますね。

岡本

へえ! ということは、閉所恐怖症でなければ、なんとか、トレーニングで潜れるようになってくるってことですかね?

大西

そうですね。研究者の方も、もちろん初めての方は大勢いらっしゃいますので、そういった不安を抱えていらっしゃる方もいるんですが、一応コックピットの中に入っていただいて、こんな感じですよとお伝するんですけど、ほんの5分もしないうちに慣れてしまいますね。不安というのはほとんど感じないような、そういった印象を受けます。実際に潜航する前に、テストとして、その閉鎖環境を体感してもらうこともあるんですが、それを体感してもらって、「ああ、やはり、私、ダメです!」っていう方は、今まで一度も聞いた事がないですね。やっぱり、「潜ってみたい!」といった意見になっていきます。

岡本

へえ!!!そうなんですね! 私なんかは閉鎖空間があまり得意ではないので、深海に潜っていって、もし万が一、下で何かがあったらって、いわゆるリスクのことを考えてしまいそうですが、やはりすばらしい整備技術というものが裏側にあると思うので、それが裏付けとなって安心できているってということですね。

大西

そうですね。結構、飛行機のパイロットと比較されることがあるんですけど、飛行機のパイロットだとパイロットの部分だけで、整備に関してはまた別になりますよね。グラウンドスタッフとして別にいますけれども。でも「しんかい6500」は、すべて自分たちでやるというところがあるので、その辺の不安の要素が解消されているのかなと思います。

岡本

なるほど。ちなみに、今、大西さんたちは「しんかい6500」で、地球の中心部の方に潜り込んで物事を見ていくということに取り組まれていらっしゃると思うんですが、この領域というのは、人類にとって、まだ見えていないところがたくさんあるから、当然、下に潜る中で、いろいろなものを見ていくということがあると思います。その中で、今のこの「しんかい6500」のパイロットとして、JAMSTECとしてでもいいんですが、いわゆる「しんかい6500」が、今後の人類にとっての「発展」と言うんですかね、していくために、どのようなミッションを持っているのかという部分も伺ってみたいなと思います。

大西

そうですね。かつて日本には、今の「しんかい6500」だけではなくて、「しんかい2000」という有人潜水船もありまして、その2台体制で運用されたこともあったのですが、その「しんかい2000」も2002年に退役してしまいました。「しんかい6500」も1989年に完成して、もう30年以上経過しているんですけれども、まだまだ一応現役バリバリで運用を続けていることができていて、度重なる大改造とか、新規搭載技術とか新規機器の導入も続けながら、今のところ世界トップクラスの調査能力を保持しながら運用を続けているのが、今の現状です。ただ、「有人」という見方がどうしても出てくると思うんですけれど、このご時世、やはり「有人」という名前を冠するものっていうのは、だんだんと活躍の場というのが少なくなってきているような気がしているのを私自身、感じることも少なくないですね。人が危険を冒すリスクというものと、もちろんそれにより多くの安全対策が必要になるということと、それと比例するように、もちろん多くの予算も必要になってくるということで、夢とロマンとやりがいがあると思って、私自身も入ってきたんですが、いつのまにか肩身の狭い存在なりつつあるなというね、ちょっとね、最近感じつつあります。

岡本

でも、当然、深海も宇宙と同じく、まだ人類が解明できてない、例えば、宇宙の場合には、拡がりとか物質とか、当然、惑星のこと、深海で考えると海底の奥深くですね、まだ人間が知らない生物だとか地形とか、そういったものを発見しに行くという、人間としての探究心というのも、おそらく大西さんは、たくさんお持ちになっていらっしゃると思うんですよね。その中で、もちろん宇宙の領域もそうですけれど、「無人化」というものがあって、同じく、深海の領域にも無人化の波が来ているのだと思うのですが、とはいえ、やはり人間じゃないとなかなか対応ができなかったりとか、人間の目でしか気づけなかったりすることというのが、おそらくたくさんあるのでないかなと感じます。そういったところはどうなのでしょうか?

大西

そうですね。やはり、有人じゃないと難しいというところは多分たくさんあると思います。もちろん無人探査機にもいいところがありまして、例えば、見たいものが既に決まっている状態で、それをより良く、例えばズームアップしたりだとか、より良く見たいということに関しては、カメラとかそういったものの方が優れている部分が結構あると思います。それに対して、人間の目って結構ざっくりとしているじゃないですか。遠いところもざっくり見えるし、近いところもざっくり見えるので、いろいろなところ、広範囲が、何となく見えるというところが良さかなと思っていて、そういう意味で、これまで一つのことしか見ていなかったけれども、実は、周りってこうなっていたんだとか、有人潜水船じゃないと分からないことというのが結構あります。研究者の方も、普段は無人探査機を使っているよという方が、有人に来られることがあるんですけれども、何回も同じ場所を調査しているはずなのに、実はこの裏側ってこうなっていたんだとか、実際の目で見ると、色ってこうなっていたんだとか、周りはこれぐらい傾斜があったんだっていうのが、実際に潜ってみて初めて分かるという話をよく聞きますので、そこから新しい発見、知見が生まれたり、新しい創造につながったり、イノベーションが生まれたり、新しいものに繋がりやすいのが、有人潜水船の優位なところかなと思いますね。

岡本

なるほど。僕は、以前大西さんから見せていただいた動画の中で拝見した、マニピュレーターの人間の操作が、熟練されていくと、機械を自分の手足のように動かすことができるんだっていうのを非常に印象深く覚えておりまして、人間はこれまで、技術をどんどん継承しながら発展させてきたといいますか、先輩たちの腕に負けないようにと研鑽されて、当然、大西さんの下の世代の皆さんもそうだと思うんですけど、技術を継承していると思うんですね。その部分では、やはり人間の目とか、手の、その場で臨機応変にやるという人間ならではの領域は、まだまだ残っていると僕も思ってますし、残さなくちゃいけないというのもあると思うんですよね。
ちなみに、大西さんは、今まで何回「しんかい6500」に搭乗されているんですか?

大西

今年で120回ぐらいですね。

岡本

わお、すごいですね!!!その潜水のご経験の中で、一番感動したことって多分あると思うのですが、120分の1のベストを決めてくださいと言われると、そんなことがあるか教えていただきたいんですが。

大西

うーん。非常に難しい質問なんですけど、、、。どういった目線で見た時に一番感動したのかっていうのが、それぞれあってですね。例えば、一般の目線から、素人大西として見た時に一番感動したものなのか、自分が副パイロットとして潜り出した時に感動したものなのか、自分がパイロットとして動かすようになってから感動したものなのか、段階的にいろいろあります。

岡本

なるほど! すみません。難しい質問ですね。(笑)

大西

そうなんです。(笑) でも、とりあえず、一般目線で言うと、やはり深海の暗さという部分ですかね。まず一番最初の初ダイブ、120分の1潜航目のそのダイブで感動したのは、深海の暗さとその中で生息する発光生物の存在です。それまでもよく見たり聞いたりすることはありましたが、実際にその暗さと発光生物の明るさというのを初めて体感した時、一般人大西としては一番感動しました。無人探査機と有人潜水船では結構違いがありまして、その一つに、有人潜水船は、深海に下降、降りていく間にライトをつけないという違いがあるんですね。有人潜水船はバッテリーで動いているということがあるので、電力をどうするかという理由もあるのですが、音響機器、いろいろなセンサーを使いながら、周りを監視しながら降りていくシステムになっているので、真っ暗で下降していけるんです。逆に無人探査機はライトで照らしながら確認しながら降りていくことが多いので、有人潜水船は、本当に、この深海の暗さというものを唯一体感できる乗り物です。全くライトに照らされていない深海本来の暗さというのは言葉では言い表しづらいのですが、夜の真っ暗な部屋の暗さとも違うし、月が出ていない真っ暗な森の感じとも違いますし、質の違う暗さというか、そういうふうに感じたんですけど、この中に、真っ暗だけじゃなくて、いろいろな発光生物がちらほらといて、暗―い深海の中に、その発光生物が彩りを与えているように思えるんです。時にはその発光生物が、「しんかい6500」の先端にあたって、はじけるようになって、周りが明るくなったりだとか、初潜航の時は、そういったことに一番感動しましたね。

岡本

へええ!ちなみに、その暗さというのは、トワイライトゾーンと呼ばれる200mくらいから暗くなっていくんだと思うのですが、その200mよりももっと下に行くと、もっと暗くなっていくんですか?

大西

そうですね。本当にもう漆黒というか。トワイライトゾーン、だいたい200mくらいまでは目でも見えていて、1000mぐらいになるまでは、だいたい太陽の光は届いているって言われているんです。

岡本

あ、そうなんですか!

大西

はい。そして1000mを越してくると本当にもう、「漆黒」っていう感じです。

岡本

へええ。じゃあ200mから1000mぐらいは少しずつ段階的にグラデーションで黒くなっていく。そして、そこから下はもう「真っ黒」なんですね。すごいですね!その中で、生物が長い年月をかけて、発光というもので、自分の餌を確保のために、身をを守るために、進化していったという、そのものが目で見られるっていうのは、すごいことですよね。 ちなみにもう一つ、さきほど一つだけと言ったのにもう一つ聞きたくなってしまったんですが(笑)、キャリアアップして「しんかい6500」のパイロットとして活躍されるようになった大西さんから見て、もう一つベストを挙げるとなると、何が印象に残っていますか?

大西

うーん。そうなってくると、ほとんどもう深海の暗さというのは、その頃には当たり前になっていますからね。それよりも、海底に行くと、状況というものが刻々と変わっていって、同じ場所にいてもその日によって潮流が変わったりだとか、生物の群衆具合が変わったりだとか、結構あるんですけど、そういった毎回変わる環境に合わせて、自分が研究者のオーダーに応えるためにピッタリと操船をしたりとか、そこに持って行ったりとか、しっかりと研究者に深海を案内する、そういった「魅せる」オペレーションができるか、そしてできた時に、その高揚感とか、そういったところに最近は心を動かされますね。非常に強い潮や海底からの熱水噴出と一体となって完璧に止まれたな、とか。(笑)

岡本

マニアックでいいですね!(笑) でもそうですよね。大西さんしか知らないポイントとか、類推してベストなところに自分の機を誘導して持っていくということですもんね。やはり、キャリアがもたらす賜物なんだと思いますが、実際、それをできる技術というのは、想像を絶する難しさなのだと思います。同じ場所に行くとか、ここだろうなって類推して、そこピタッと止めるっていうのは、当然、地上でのシミュレーションっていうのもあるのだと思うのですが、実際に潜航している時に技術を習得していくことの方が大きいものなのですか?

大西

そうですね。やはり経験値というのはありますね。ある程度は、機上とか陸上でシュミレーションができるんですけれども、やはり深海は同じ場所でも環境が毎回違うので、よく状況を観察しなくてはいけません。状況によっては、熱水噴出していたり、潮流が二方向から入り、乱流していたりだとか。潜水船の当日のバランスも当然影響してきます。その状況の中で、「しんかい6500」だけは動かずにその場でピタッと、定点で止まっている。そういう時は感動しますね。「止まった!」ってね。(笑)

岡本

そうですよね。(笑) そんな状況で「止まった!」っていうのはすごい状態ですよね!僕も、チムニー(熱水噴出孔)は実際に見に行ってみたいなと思います。なんであんなところから湯気がぽわーって出ているのかとか、ああいうのを最初に発見した人は、すごく驚いただろうなって思いますし、そんなところに、ピタッと止まって、どうぞ見てください!って言える大西さんの技術は、すごいですね! ちなみに、冒頭でお伺いするのを忘れていたのですが、大西さんがもともと「しんかい6500」のパイロットになろうと思ったきっかけというのはなんだったんですか?下に潜りたいと思われた時期と動機についてお伺いしたいですね。

大西

そうですね。「しんかい6500」のことは、私は子どもの頃から知っていたんですけど、ただ、そんなにカッコイイ話ではなくて、「しんかい6500」にずっと憧れながら生きてきました!というわけではないんです。子どもの頃から知ってはいましたが、そこからしばらく空いて、大学に行って、私は「海洋生物」の方が好きだったので、海洋生物が勉強できるような学校に行っていました。その学校に行っている時に、たまたま、船について勉強ができる学科もあって、船の勉強をしながら海洋生物を勉強するといった学生生活を送る中で、たまたま「しんかい6500」に携われる仕事があると聞きまして、私自身、将来的には海洋生物の研究者の方に進みたかったんですが、たまたま船の勉強もしていたこともあり、たまたまそういう話が学校に来ていたこともあり、そんなタイミングが重なってですね、ちょっと一回行ってみようかなとなったんですね。そこに行くと、自分の好きな海洋生物の研究もできるし、船の経験も活かせるし、自分にすごく合っているんじゃないかな思って、「しんかい6500」に携わる仕事がしようと入ったのですが、その時はまさか、パイロットなんてもう、夢のまた夢で、携われるだけでいいかなと思っていたんです。近くで整備をしたりだとか、生物を見られたりとか、それができればいいかなと思っていたんですが、どんどんどんどん欲求が出てしまってですね、潜りたいなという想いに駆られるようになってしまって、最終的にはパイロットを目指すようになりました。

岡本

そうなんですね。やりたいなあという領域だけを決めながら進んでいくことによって、興味の範囲を広げて飛び込んでみて、そうしたら結果的に網羅して、いろいろなものができるようになったということだと思うんですけど、それをやれる行動力っていうのはやはりすごいなあとは思います。社会がどんどん変わっていっている今の世の中で、これをやっていったらこうなるっていうロールモデルがなくなってきているという現状が大きくある中、みんながみんな、明確な夢を描いていくっていうことが難しいし、そうである必要もないとは思うのですが、だからこそ、大西さんが今、お話しされていたような、自分のやりたいものの周辺領域も興味を持ってやっていくということもすごく大切なんだなって、改めて、今お伺いしていて考え直しました。ありがとうございます。

海の環境に関しては、海に流れたごみはほとんどが深海に沈む中、マイクロプラスチックは世界中の海の至る所に蔓延っています。
それが含まれていない深海泥を探す方が至難の業だと言われます。

岡本

ちなみに、先ほど、「海洋生物」というワードで出てきて思ったのですが、最近のSDGsのひとつの文脈ということで捉えた時に、「海」というキーワードもやはり出てくると思うんですよね。以前、別件で大西さんからの講義を伺った時に、海底の中には、どんなに深い海底でも、人工物が落ちていたり、人間の形跡が見られるんだよという話をお伺いした記憶があるのですが、実際に本当にそういったものが落ちてるわけなんですよね?海底にも。たくさんではないとしても、探そうと思えば見つけられるレベルであるんですか?

大西

そうですね。正直たくさんありますね。

岡本

ああ、やっぱり。たくさんあるんですね。

大西

ありますね。深海では、「深海ごみ」というのが最近問題にされていますけれどね、深海には、どうしても光が届かないし、紫外線も来ないし、水温は低温で一定で、生物も来ないので、陸上よりも分解がうまくいかない環境なんですよね。だから、どうしても、陸よりもゴミが残りやすい環境があります。もちろん目に見える深海ごみもたくさんあるんですけど。特に最近問題視されているのがマイクロプラスチックですね。マイクロプラスチックに関しては、泥を研究されている研究者の方が言うには、どこの泥を採っても、マイクロプラスチックが含まれていない泥は見たことがないと。本当に世界中、至るところに蔓延っている。そういった話をよく聞きます。北極の氷の中にも含まれているみたいですし、南極の海底の泥にももちろん含まれているみたいで、もう含まれていない深海泥を探すのは至難の業だと、そういう話を聞いたことがあります。

岡本

そういう現状を聞いたり、自分の目で見てですね、SDGsの広がり、この場合、14番の「海の豊かさを守ろう」なんかがそうだと思うんですけども、こういったものが社会で認知されていくということに対しては、大西さんからすると、これは当然いいことだと思うんですよね。その現状の中で、環境の専門家ではないのはもちろん前提としてですが、一人ひとりがやはり行動に移していかないとだめなこというのが当然ある、プラスチックごみを減らすための行動が必要だと思うんですが、もともと海の生物に興味を持たれていた大西さんから見て、そして今は、「しんかい6500」のパイロットとして見ている現状の中で、子どもたちとその保護者の方、子どもたちを導く先生方は、どのように海の教育をしていくべきだと思われますか?

大西

そうですね。海というのは、身近なようで、できることってそんなに多くないような気がしていて、やれることっていうのが結構限られているような感じがするんですよね。海洋ごみの話で言えば、一度海に入ってしまったプラスチックごみを回収することは可能なのか?と聞かれることもあるのですが、おそらく一回海に入ってしまったら、もう二度と回収することは不可能で、海に入っている全てのプラスチックごみを排除するというのは、おそらく無理だと思うんですよね。沿岸とかビーチとか、そういったところであれば、ある程度希望はありますが、流れ出た大半はほとんど深海に沈みますから、できることは非常に少ないかなと私自身思っています。これ以上悪化させないためには、プラスチックゴミが海に流出することを事前に防ぐしかないので、海とか深海を掃除することは根本的な解決にならないのではないかと思います。
私も近年、ビーチクリーニングの団体について耳にする機会も多く、参加させてもらったりもしまして、すごく素晴らしいことだと思うし、必要なことではあると思うんですけど、ビーチクリーニングの活動は、ゴミが流出することを防ぐだけになってしまうんですよね。最初は私もかなり勇んで、いろいろとやっていたのですが、本当に最低限の効果しか生み出せないっていうことを、最近、認識してきて。もちろんそれも大事なことですが、本当に一部しかできていない。聞いた話で、2017年からはじまって、世界中で79万人のボランティアが参加した、国際沿岸クリーンアップという活動がありまして、これまでに9,286トンのプラスチックごみが全世界中で回収されたらしいんです。でも、この9,000トン以上のごみというのは、1年間に海に流出するごみのわずか0.1%に過ぎないようなのです。既に、人が回収できるごみの量よりもはるかにたくさんのゴミが海に流れてしまっている現状、発生源をコントロールしないと、ビーチクリーニングをしてもなかなかなくならないだろうと感じます。だから、まずは具体的に、これから子どもたちを含めて何ができるか?もちろんビーチクリーニングもいいとは思うんですが、根本的な対策としては、プラスチックの発生源そのものを少なくする、プラスチックにそもそもに依存しない生活を心がける、そういった活動の方が重要なのかなと、最近少しずつ思うようになってきました。自分の中でも少しずつ変わってきたところがありますね。

岡本

そうですよね。いわゆるパラダイムシフトを起こしていかないといけないっていうことだと思いますし、「石がなくなったから、石器時代が終わったわけではなく、次の新しいテクノロジーが生まれたから、石器時代が終わったのだ」という格言がありますが、実際、同じだと思っていて、プラスチックごみを出してしまう、流してしまうと、もう回収できないものだと思うので、パラダイムシフトを起こして、石油製品ではないものに切り替えていくというのが必要だと僕も思っています。実際、深海の深くにあるものを取ってくるなんて、ものすごいコストがかかるわけじゃないですか。すごい天文学的な数字になるわけですね。ごみを一つ回収するだけでも。なので、本当に「出さない」ってことがやはり重要だとは思いましたし、教育の現場でも、そういった意識づけを、小さいうちからやっていかなければいけないなと、改めて感じました。

世界では有人潜水船を止めて無人機に切り替える国もあるが、有人機のメリットを生かし新たなタイプの有人潜水船も生まれています。
「有人」or「無人」ではなく、双方をうまく活用できる方法が増えてほしい。

岡本

さて、大西さん、また少し目線を変えてのお話になりますが、冒頭で、日本の「しんかい6500」は、世界でもトップレベルの技術であるというお話がありましたが、今現在、「しんかい6500」の次のものをどんどん作っているのかという質問も、いろいろな方々からされることだと思いますし、また、その技術という面で、例えば中国がもっと下に下にと技術開発をしていて、競争も含めてですね、技術開発は進化して激化しているんだと思うのですが、今後の「しんかい6500」の次世代機というのは、今、作られているんでしょうか?

大西

はい。何度かそのような話は出ていますが、具体的に新しい潜水船を作るという建造計画というのは、今はまだ進んではいないですね。以前、「しんかい12000」をつくるというプランがあったのですが、それと天秤にかけられたのが、無人機を12000mまで潜らせるというもので、その時は、無人機にしようという話が出たものの、結局その無人機の開発も今は特に進んでいなくてですね。有人潜水船の話は、少しずつ、また戻ってきているような、現場としてもそういう感じを受けますし、これから話が出てくるかもしれないと聞いています。

岡本

今の日本の技術というのは、もちろんトップレベルであると、僕も信じていますが、実際、今の日本の潜水船自体の技術がないから作らないというわけではなく、予算の問題とか、倫理観の問題というのですかね、人間を乗せるか乗せないかということも含めて、今、止まってしまっているっていうことなんですか?

大西

そうですね。新しい有人潜水船を作ろうという人もいないし、有人潜水船を無くそうという人もいないんですよね。だから、この有人潜水船の将来に向けて、本当に舵をとるという人が、今のところはいなくて、否定もしないし肯定もしないという感じで、ずるずるときているような状態なんですね。誰も答えを出さない。もちろんそれには、おっしゃる通り、予算の問題もありますし、安全はどうなのかという意見もちろんあるのですが、だからといって、有人をやめましょうっていう人も出ていないのは事実なんです。だから、今後また出てくる可能性は低くはないと思っています。

岡本

長い期間、「しんかい6500」に乗っていると、当然、愛着も出てくると思いますし、次の技術というものも、大西さんご自身の中でも、もっと深いところに潜ったらどんなものが見えるのかという探究心というか、人間として、パイロットとして、お持ちになると思うのですが、僕自身としても、下ってどうなっているのかというのは、自身が大西さんの立場だったら気になるだろうなと思って質問させていただいたんですが。実際、今の日本の技術というものは、世界と比べてもまだトップレベルの部分はたくさんあると思いますが、世界の深海の探査というのはどういう現状なんですか?同じように、有人から無人化の方に舵を切っているケースが多いのですか?

大西

やはり、舵を切っているケースは多く見受けられますね。以前、有人潜水船を持っている国はいくつかあって、アメリカ、中国、日本、それからロシア、フランスなど、大深度の有人潜水船を持っている国があったのですが、ここ最近でいうと、フランスが、もう有人潜水船をやめるということで、無人機に切り替えたという話を聞いたことがあります。逆に、中国は、どんどんどんどん、下へということで、今は7000mものが既にありまして、それに続く12000mの潜水船を今、建造していると、そういった情報もあります。中国だけではなくて、深海の有人潜水調査というものとは少し離れてしまうんですが、最近は、深海を「探検する」ということを目的に、2012年に、ジェームズ・キャメロンさんがフルデプスの深海に行きましたし、あとは、最近BS-NHKでもやってましたが、ヴィクター・ヴェスコヴォさんとう探検家の方が、自分で有人潜水船を作って、各大陸のフルデプスに潜るというプランを立てていて、そういった意味では、新しいタイプの有人潜水船というのは出てきているのも事実としてありますね。だから、無人機のいいところは無人機にお任せするし、有人機は有人機で、有人のメリットもありますので、どうしても有人機か無人機かって、「OR」になってしまいがちですが、有人潜水船と無人探査機で、いいとこ取りをしながら、両方をうまく使っていくっていうような、そういったやり方が、今後増えてほしいなあと思っているところです。

岡本

本当に、僕自身が「しんかい6500」のファンでもありますし、大西さんのファンでもあるので、両立できるように、うまくやってもらいたいなと、ぜひそういう形になってもらいたいなというのがありますし、日本がこれまで脈々と蓄積してきた、深海へのアプローチに対する機械工学としての技術というのも、守ってもらいたいなと思います。何でもかんでも無人が良いというわけではなく、人間の良さというのがなくなってしまうと、人間は何のために生きているのかという、これはほかのインタビュー回でも実際よく話題にのぼるのですが、やはり人間の温かみとか人間でしかできないものというの領域は必ず出てくると思うので、是非、ネクスト大西さん世代も、次のパイロットとして活躍できるようにしてもらいたいなとすごく思いました。

例えば、一隻しかなくマニュアルのない有人潜水船の整備において、が
思わぬ角度から問題の解決になることが多くあります。
子どもたちには、多角的に多面的に幅広く物事を見られる力をつけてほしい。

岡本

さて、ここからガラッと変わりますが、大西さん、最後に、教育のこともちょっとお話をお聞きしたいなと思います。大西さんが、深海に、下に潜るということは、ある意味、人間の探究的な根源的なものに近いなとも思うのですが、その中で、VUCAといわれる時代が到来して、JAMSTECさんの中でも、社会や情報がどんどん変わってくる中で、求められる能力も変わってくることが往々にしてあると思います。次の世代が実際に大西さんの部下とか仲間になっていく時に、大西さんから見て、今後、子どもたちに求める力といいますか、社会が変われば、教育も変わらなければいけないという中で、こんな力を能力を持って社会に出てほしいなという想いを伺えればと思います。

大西

私も今年40になりますけど、40の私の世代であっても、確かにそういった時代が来てるなあというのは、すごく感じますね。そこで求められる力ということですが、いろいろと変化が起きていて、不安定な時代だからこそ、一つの物事にとらわれずにですね、多角的にいろいろな、広く物事を見られるような力が必要じゃないかなと、一言で言うと思います。我々も、有人潜水船を整備していて、どうしても原因がわからない時とか、全く異なる方向から原因を探ることも結構あって、そうすると解決したりとか、新しい機械の不具合の原因が見つかったりだとか、そういったこともあります。特に我々が扱っている有人潜水船の機械は、日本で一隻しかありませんので、不具合が起きた場合の手本となる正解のマニュアルがないんですよね。なので、既存の考え方とか、別の所ではああやっていたからとか、そういった考え方や方法というのも大事ではありますが、我々の現場では、あまりそういった考え方にとらわれずに進めないと解決しないことがかなり多いので、いろいろな考え方とか視野を持てることが大事かなと思います。
そこで私が思いつくことは、さまざまな分野に興味を持つということと、いろいろな面から見られるということ。そして、様々な分野に広く興味を持ち、いろいろな経験値とか知見とかが得られる多くの人とのつながりやコミュニケーショをたくさん持つこと、これが大事かなと私自身は思っています。

岡本

ありがとうございます。実は、このMIGAKUのインタビュー中でも、いろいろな方々にお話を聞いてくると、同じキーワード、同じベクトルでお話をされているなあと気づくのですが、大西さんも今お話されたのが、幅広い視野を持って、今までにないものからの視点の切り込みが必要だとか、あと、冒頭でも話をされていたと思うんですけど、チームで動いていくっていう大切さがすごくあるんだろうなというのが感じました。またもう一つ、海洋生物を研究したかった大西さんが、船の領域も学んだからちょっと見に行ったり、という話で言うと、いわゆるダブルメジャーではないですが、二つの領域を持ったことによって、自分の夢というものを見つけていくということが出てきたと思うんですよね。これらは、逆説的にいうと、今までの日本の教育では、一人で考えて、決められたものを覚えて、いかにそつなく成績を上げていくかということが、どうしても学生の間、特に大学受験までの日本の教育の領域だったと思うのですが、それが大学に入るといきなり、全く違うことを言われて、自分で考えなさい、みんなでやってください、ということを初めて経験する人たちが増てくると思うんですよね。
そう考えると、大学への連結として、小中高というステップアップの教育制度の中で、できるだけ小さいうちから、「探求」とか、「グループワーク」とか、答えが多様であるというものをまとめていくことが、やはりすごく必要だなと思っています。そうそのために、子どもたちを導く上で、先生方、指導者に求められる視点とか行動も変えていかなければいけないと思うのですが、大西さんから見られて、日本の教育をどのように変えていくか、いいところを残しつつ、こういうところを変えていったらいいんじゃないかと気づかれることがあれば、最後に、先生方へのメッセージとしてお話しいただきたいです。

大西

そうですね。今後の指導者の方へ意見となると、私から言えることは少ないですが、私が職場としている、「海」という特殊な環境で考えた時に思いつくことは、「海」とか「船」というと、日本は島国で、海洋国家でありますから、海というのは身近な存在ではあるものの、陸上から、世間から、離れることが多い環境なんですよね。そうすると、システムにしても、考え方にしても、捉え方にしても、陸上ではものすごいスピードでいろいろと変化している中、海とか船の業界では、まだまだそのスピードが伝わっていなくて、追いついていかない、いけないような環境になりやすいと思っています。
我々の職場もそういった環境ですから、まだまだ古いシステムや、古いというか、まだ変化しきれていない考え方や慣習などが根強く残っていると思っています。「船」や「海」というと、「根性」とか?(笑)、「情熱」とか、私は苦手ですけれど、「大きな声」とか、大事な時にスマホは常時圏外だとか(笑)。そのような環境に慣れている人はいいですが、そういう環境に慣れている若い人は、最近はやはり少ないですよね。そういったこともあって、船とか海の業界の離職率は、結構多いという話をよく聞きます。
弊社にも、学生時代からそういった環境で長らく育ってきたという社員もそれなりにいるのですが、全く海に縁がなかったという人も半分程度はいるんですね。そのような方たちにも、今の陸上の生活とのギャップをあまり生まないように、その人にあった教え方をしたりとか、その人の理解に努めたりとか、話を聞いたりして、時代のギャップを埋めるというような、そういった努力が、教える立場の人には必要なんじゃないかなと思います。船とか海の環境では、昔ながらの考え方だったとしても、まだまだその考え方が「正」ということも多いのですが、もちろん、特に人命とか、安全とか、そういったものに関わることに対しては、昔ながらの考え方がよかったりすることも往々にしてあるので、その辺りを、新しく入ってくる人や若い方とはよく話し合って、理解してもらった上で、指導していくというスタンスが大切で、求められるのではないかなと思います。

岡本

最後に伺っていてすごく納得したのが、環境適応の問題というのがあって、学校の先生たちが受けてきた教育と、今の社会の現状との価値観の開きの速度が、昔に比べるとどんどん速くなってきていて、どうしても、昔の価値観がいいとか悪いとかじゃなくて、マッチしなくなってきている現状がすごくあると思うんですよね。それはやはり教育もですし、社会に出ても、私も経営者ですけど、やはりそのマッチングの部分がすごく難しいなと感じることがあります。ただ、どうしても、チームで動くこととか、その中で子どもたちが指導者とのミスマッチをどのように埋めていくかということは、現場の先生方も大変悩まれていると思います。とはいえ、今日、お話を伺ってきたことも含めて、社会に出ると答えがなくて、そこに対して教育がどのように向き合っていくのかというのは、学校の先生たちも、日々苦労されていると思うので、今日の大西さんのお話が何か一助になれば、すごく僕としても嬉しいですし、大西さんとしても嬉しいのではないかなと思います。僕自身、一インタビュアーとしてではなく、教育の領域の人間の立場から伺っても、最後のお話は、それをすごく感じた重く、大きな話でした。ありがとうございました。

では、本当に最後に、もう一つだけ、JAMSTECに入りたいという人、海に潜ってみたい、海に関わる仕事はしたいという人たちが、たぶん、これをご覧になっている先生のもとにはたくさんいると思います。その将来の後輩たちに向けてのアドバイスを贈っていただくことは可能でしょうか?

大西

はい。海は身近にありますから、私たちと海とは切っても切れないものなので、これから海の仕事や研究というものは絶対になくなりはしないと思います。そうすると、今後もどんどんどんどん新しい研究や新しいモノが生まれてくるだろうし、大きな将来が、まだまだ先にあると思うので、海の業界に行って何かをしたいというしっかりと目的があることはもちろんよいですが、そうでなくても、とりあえず海に関する研究機関に行ってみて、それから自分の好きなものを探したり、合うものを見つけてみたり、そういった切り口でもいいと思います。だから、まずは関連する研究機関に足を運んでみたり、自分でいろいろと見たり聞いたりして、自分に合う、海に関するものを探してもらえたらなと思います。

岡本

ありがとうございます。海に関する仕事に就きたい子どもたちの数は、多分相当数いると思うので、できるだけ自分で足を運んで、実学としての学びとか感覚というものを養ってほしいなと思いました。大西さん、今日は、お忙しい時間を頂戴しまして、本当にありがとうございました。

大西

ありがとうございました。

Today’s Expert

大西 琢磨 ONISHI Takuma

2006年 水産大学校卒業(沿岸環境生態学)修士。 同年4月、三等潜技士として日本海洋事業に入社。
有人潜水船「しんかい6500」の運航チームとして配属。
「しんかい6500」の整備業務に従事しながら、各種音響機器の運用、整備を担当。
2009年に副パイロット、2014年にパイロットとなる。無人探査機を含む様々な深海機器を運用。2017年より「しんかい6500」の潜航長(チーフパイロット)。 2022年、海外フルデプス有人潜水船のオペレーションに参加し、日本近海の超深海を調査。

Interviewer

岡本 弘毅 OKAMOTO Koki

教育のソリューションカンパニー、株式会社エデュソル 代表取締役。
特定非営利活動法人子ども大学水戸 理事長。
一般社団法人ロボッチャ協会 代表理事。
世界に羽ばたく「倭僑」の育成のため、従来の教育だけではなく、STEAM教育やSDG’s教育(ESD)、グローバル教育を中心に、3歳から社会人までの幅広い年齢にあわせた、様々な教育プログラムを提供している。また、子どものための大学を設立し、累計10,000人を超える学びの場を提供している。 2020年、株式会社電通、株式会社TBSホールディングスとともに、JVとして株式会社スコップを設立、実践的想像力を育むオンラインスクールSCHOP SCHOOLを開校。